ネコちゃんに腎臓病が多い理由について

以前に、ネコちゃんで #慢性腎不全 が多く、 診断を受けたら必ず食事療法を取り入れましょうとツイッターでツイート( https://twitter.com/DogCatHomemade/status/1358960974510780416?s=20 )しましたが、

 ではそもそもなぜネコちゃんで腎臓病が多いのかについてお話します。 


 ネコちゃんの祖先が水を飲めない環境で暮らしていたから等と言われてきました。

 もう一つ、猫ちゃんに腎臓病が多い理由として、最近の研究で明らかになってきたことがあります。 何らかのダメージを受けて腎臓の細胞が死んだ際に、死んだ細胞を除去してくれる「#AIM」という #タンパク質 があります。

 ネコちゃんはこのタンパクの働きが人やワンちゃんに比べて非常に弱いと言われています。#AIMタンパク が免疫グルブリンに非常に強く(人やワンちゃんの1000倍)結合しており、働くべき時に働くべき場所まで移動できず、これがネコちゃんの腎臓病の悪化を早める一因だとわかってきました。

 ではそもそもAIMって何をしているタンパク質でしょう? 通常は死んだ細胞は貪食細胞である #マクロファージ や #樹状細胞 に貪食されますが、 尿細管の管腔にはマクロファージや樹状細胞はほとんど存在しないため、 尿細管の上皮細胞が障害を受けた際は、管腔側に #KIM-1 を発現することにより貪食細胞へと脱分化します。

 KIM-1は #スカベンジャー受容体 の一種で、#アポトーシス した細胞の表面に露出する #ホスファチジルセリン や酸化した #リポタンパク質 を認識することで、死んだ細胞を除去します。 AIMはこのKIM-1のリガンドとなって死んだ細胞の除去を促進します。

 AIMは組織マクロファージにより産生される分泌型の血中タンパク質で、ヒトやマウスでは比較的高い濃度で血中に存在します。 普段AIMは血中では、#免疫グロブリンM 五量体と結合して安定化し、血中のAIMの濃度は免疫グロブリンMの濃度に依存します。

 免疫グロブリンM五量体は500kDaをこえる巨大なタンパク質複合体なので、AIMはこれと結合している状態では糸球体を通過して尿へと移行することはできず、免疫グロブリンMから解離して初めて尿へと排泄されます。 現在はこのAIMタンパク自体をネコちゃんに薬として投与する方法が研究されています。

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